Q 普通名称等の識別力のなさそうな商標について、どうしても権利化したいけどどうしたらよいの?

A 識別力がない商標でもデザイン化したり、図形と組み合わせて出願すれば、商標権を取得出来る可能性があります。

 例えば、自動車について、「ECO」は識別力がなさそうですが、下記の商標(第4591583号、第4771330号)は登録されています。

 もっとも、上記のようにして、識別力がないものをデザイン化して権利化した場合には、デザインが異なる商標は、非類似になります。従って、他人が、異なるデザインで商標にかかる文字をロゴ化して使用していても、この他人の行為は、商標権侵害にならず、商標の使用を禁止することができません。例えば、上記2つの商標は非類似になるため、お互いに、お互いの権利の侵害とはなりません。

 

 それでも、権利化する利点としては、登録商標と同じ商標(又は色違いの商標)を使用している限りは、他人の権利を侵害していないことが保証されることです。

 

 識別力のない商標は、商標法26条によって、使用しても他人の商標権を侵害することはないのですが、他人が識別力のない商標をデザイン化して出願し、このデザインと類似するように使用すれば、やはり権利侵害になります。自己の登録商標を使用している限りはこの権利侵害のリスクがなくなります。

 

 また、識別力の有無がグレーなものについて、他者に商標の使用を躊躇わせる牽制効果が期待できます。